人生反省記Vol.2

馬鹿は馬鹿なりに。http://blogs.yahoo.co.jp/imutan813

ザ・ノンフィクション

試験前になると、自分の中で勉強以外にハマりだすことがある。それが意外と試験後も趣味や嗜好として定着する事も多いので息抜きに許すようにしているのだけれど、そんなハマりのひとつが“ドキュメンタリー番組だ。
その中でも、私が好きなドキュメンタリー番組は“ザ・ノンフィクション“と、”ドキュメント72時間“。それから、バラエティ色がちょっと強いけど”クレイジージャーニー“。クローズアップ現代とかも好きだけど、ザ・ノンフィクションは民放だけあって(?)題材が良い意味でエグくて興味を引かれるものが多い。
さて先日10/15、10/22の2週連続のテーマは「人殺しの息子と呼ばれて」。
どこぞの人殺しかなと思い見始めたら、舞台は福岡県北九州市北九州市の殺人事件と言ったら…まさかねえ、と思っていたら、本当に、「北九州監禁殺人事件」の松永太と緒方純子の息子だった。
この事件には元々関心があり、Wikipediaも数回読んだし、5年ほど前に事件のルポタージュ「消された家族」を読んだこともあった。このルポタージュはかなり衝撃的で、当時の自分に精神医学について興味を深く抱かせるものとなった。そもそも、読了後しばらくは本当に気味が悪くて本の表紙を見るのすらゾッとするくらいだった。
主犯の間に子供がいたのは知っていたが、まさか自分と同い年とは思わなかった。そして、彼が中卒にもかかわらず(というのは語弊があるけれど)非常に多様なボキャブラリーを用い賢く魅力的な話し方をすることに驚いた。
おそらく松永太という男もそうだったのだろう。サイコパスというのは時に非常に他人を惹きつける魅力を持つ者も多いという。
そして緒方純子からの手紙。残虐な殺人を起こした者の書いた手紙とは思えなかった。緒方が死刑ではなく無期懲役になったその大きな理由「洗脳」がここまで純粋で愛情あふれる様に見える人間を殺人鬼にしてしまうのか…。複雑な気持ちになった。
そして、幼少期から虐待を受け、9歳以後全く親としての機能を果たせなかった両親を持つ子供にしては非常に人格者で、愛情も持っていて、考えもしっかりしている息子に感動すら覚えた。同い年で結婚もし、苦労もあるものの正社員として働いている。自分が殺人者の息子である現実に向き合い、両親にも面会に行っている。更には、自分の中に流れる両親の血にも冷静に向き合っている(自分がいつか同じようなことをしてしまうのではないか、と悲観的にではあるが冷静だと思う)。
本当に強い人間だと思った。
そんな風に彼の話ぶりや生き様に感銘を受けること自体があるいは彼の生まれもった「洗脳」の能力によるものなのかもしれないが。
それでも、自分の定められた運命から逃げることなく、真っ向から批判をするものに立ち向かうべく今回ザ・ノンフィクションに出演することを決意した彼に、感銘を覚えずにいられるだろうか?
加害者の家族という難しい境遇の人間を、決して騒ぎ立てることなく静かに取り上げたこの番組とフジテレビは賢明な判断だったと思う。もしこれがワイドショーでお茶の間に放出されていたらと思うと恐怖すら感じる。
彼のような人間を社会はどう扱う(見守る?手助けする?)べきか、大きな問題提起にもなったのではないだろうか。以前読んだ神戸の少年Aの更生記録を思い出し、その後「絶歌」も思い出した(読んでないけど)。
とにかく色々と考えさせられる回だった。